うまいものいっぱいの鹿角ですが、そのシンボルでもある北限の桃の出荷が
まさにピークを迎えようという今日この頃、みなさん、いかがお過ごしですか?
夏バテ気味からようやく脱しつつある
ボーリャです。
まずは下の写真をごらんあれ!
心配された台風9号は(通過された地域の人はごめんなさい)幸い鹿角をスルーして
行ったので、昨日8日ちょっと外に出てみた。
鹿角市の東側、
上沼から望む花輪盆地です。
立っている場所はちょうど三角点の位置で標高895.5m。
ブログに添付すると、写真は迫力マイナス120%、臨場感ゼロ%だけども
市街地の周辺は、黄色い稲穂の海が広がり、遠く西には大館市やそれに続く白神山地が望めます。
北に目を転ずるとこんな感じ。
右手上方に連なるのは八甲田山系です。
左上の稲穂の飛行場みたいに見えるところは、青森県境から流れ出る小坂川と
十和田湖から落ちる大湯川、そして南の八幡平から流れる米代川本流が合流する辺
りです。ここから米代川は真西に向きを変え、一路日本海に向かって流れていきます。
ここは「
上沼(うわぬま)牧場」。
鹿角地方は、今では「八幡平ポーク」や「桃豚」など大規模養豚基地として知られて
いますが、もともとは肉牛の産地でもありました。たくさんの農家が数頭の牛を
繁殖や肥育用として飼い、夏の間は山に放ち、冬は畜舎で育てていました。
ここも十数年前まで、牛の放牧地として利用されていたところです。
しかし、牛肉の輸入自由化による安い海外産の流入や国民の嗜好が柔らかくサシの
入った黒毛和牛に傾く中で、赤肉でサシの入らないこの地域の肉牛生産は、徐々に
縮小していきました。畜産を続ける農家も経営効率の高い黒毛(濃厚飼料による畜舎
飼い)に移行していったため、こうした放牧地は次々と放棄されることになったのです。
写真の右下に見える小さな沼。たぶんこの沼がこの土地の名前の由来です。
そばに降りてみました。
この日(8日)はとても穏やかで快晴、わずかな風は涼しく、水面はほとんど鏡のよう。
深さはほんの数十cmくらいで透明です。こんな山の頂上近くにあるのに、決して
涸れることはありません。
その昔は、ここを水飲み場にたくさんの牛(300頭くらいいたようです)がのんびり草を
食んでいたのでしょう。
沼の周囲には穂を広げ始めたすすき、そして何種類もの野草がちいさな花をつけています。
ふだんは誰も来ない、虫たちの楽園。そして定番の野アザミ。
花輪盆地を今度は南端の八幡平
「馬見平牧場」まで上ってみました。
写真では判りづらいですが、先程までいた「上沼牧場」は右手の白い雲の下あたり、
直線距離で20km弱といったところ。標高は同じく800mくらいです。
「
馬見平」という名前ながら、ここも
牛の放牧地です。ただし現役の。
以前は何十カ所もあったこの地域の放牧地も畜産農家の減少とともに運営する
牧野組合が解散し、現在では鹿角市の所有する4カ所の公共牧場だけとなって
しまいました。ここがそのひとつ。120ha余りの草地の中で、この地域で古くから
飼われてきた日本短角種という牛や黒毛和牛の繁殖牛(母牛)を放牧します。
日本短角種という名前は聞き慣れないと思いますが、これは「南部あかべこ」
として知られる古くから使役に使われてきた「南部牛」に「ショートホーン」を掛け
合わせて明治時代に改良された肉牛です。岩手、青森、秋田そして北海道の
一部でのみ生産される日本固有の和牛です。
早春に生まれた子牛は5月になると母牛とともにここにやってきて母乳をのみ、
やがて牧草を食べて自然の中でのびのび育ちます。
肉質は松坂牛で代表される黒毛和牛と比べ、脂肪分が少ない赤肉ですが、
低カロリー、高たんぱくでミネラル豊富、うまみの元であるアミノ酸がたっぷり
の本当においしい牛肉です。
生産・流通量が少ないので普段目にする機会は余り無いと思いますが、
肉好きやグルマンにとって垂涎の牛肉と言われています。
とても美しい日本短角繁殖用雌牛「篤姫」号
芳紀?6歳!
(人間の女性にすればって?多分30歳くらいかな。今年で3回目の経産婦です。)
かづの牛(短角種)については下にリンクを貼っておきます。
http://www.ink.or.jp/~tikusan/6-2kazunogyu.html
おいしい空気を胸一杯吸ったのでHPをしっかり回復したボーリャでした。