雪国の知恵

のんびり探検隊

2010年12月24日 08:30

 今日は12月24日、とくれば“クリスマスねた”と誰しもが思うところをおもいっきり裏切って、“雪国の知恵”をお届けしまーす。

 鹿角では例年、12月半ばには平地でも積雪が見られるようになります。



 この雪、水墨画のような景色を楽しませてくれたり、豊かな水をもたらしてくれたり、スキーができたり、もち肌になったり(本当?)と沢山の恩恵を与えてくれる自然からの贈り物です。お陰で、来年2月12日からは、国民体育大会冬季大会『あきた鹿角国体2011』が開催され、全国から選手・観客をお迎えできます。

冬季国体の会場となる花輪スキー場です。(12月19日にスキー場開きが行われました。)


ジャンプ台もあります。


 ところがこの雪、道路除雪など普段の生活にはやっかいもので、大量に屋根に積もったときには建物が押しつぶされないよう雪下ろしが必要になります。けれどこれが重労働で、時には滑落により命を落とすことさえあります。

 このため、鹿角の家の屋根はこんな形をしているものが多くあります。





 なんか変だと思いません? 普通、木造家屋の屋根は勾配があって尖っていますが、その尖り部分がないんです。
 これでは落雪せずに積もり放題になると思いませんか。

 種を明かせば、これは無落雪屋根といって、雪を下ろさずに自然に溶かすもので燃料も電気も全く使用していません。
 構造は、フラットではなくMの字の形となっていて中央がくぼんでおり、そのくぼみ部分に地下の熱をパイプを通して通気させ、雪を溶かしています。こうした工夫により屋根の雪下ろしが不要なのです。
 これって雪国の知恵ですよね、凄い。

 ところで、写真の家屋、良く見るとハシゴのようなものが付いていますね。このハシゴ、くぼみにたまった枯葉などゴミを取り除いたりするため簡単に屋根に上がれるようにセットしているようですよ。これも雪国でなければ見られない光景、雪国の知恵でした。  探検隊員“くどくど”でした。

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