2009年09月18日
だんぶり公園 その後
今年の8月4日にこのブログで小豆沢のだんぶり公園をご紹介しました。
小豆沢集落の斜面にある小さな棚田を活用して、
トンボが飛び交う小さな自然公園を作っている方々がおられるのです。
あれから40日余りたって、鹿角はすっかり秋めいて来ました。
夏を謳歌していたトンボたちも朝夕の露に羽が濡れて、
日が射さないと飛び立てなくなったようです。
当日の公園はこんな感じでした。下から見たところです。
さて、この公園を運営している小豆沢地域資源保全隊の
「隊長さん」にお目にかかることができました。
隊長さんは千田俊夫さんとおっしゃいます。正式には会長さんですが。
このブログに登場することを快く了解してくださいました。
では、千田さんとのお話を紹介します。
-まず、きっかけは?いつ頃から?
平成19年から。
小豆沢環境保全隊というのを作って、集落の農地や環境を守る活動を始めた。
市内の他の集落も同じ事業に取り組み始めた年だ。
まず、うちの集落で何をしたらいいべ、と話し合ったら、
うちの集落は「だんぶり長者」の伝説の里だから、
やはりとんぼで何かしたほうがいぐねが?という声が出た。
そしたら、あそこの棚田で、シオカラトンボを少しばかり見ることがある、
という人がいて、場所が決まった。
-で、やる前はこの棚田はどんな状態だったんですか?
ズーッと転作だった。いわゆる「水張り水田」というやつで、
夏の間、田に水を張っておいて余り雑草が茂らないようにしておくやりかただ。
これも転作の1種なんだ。こういう棚田で転作してもよく育たないもんで。
そういうことで、長い間、水張り水田だった。
-トンボについて詳しい知識はあったんですか?
ウーン、それは、保全隊のなかに、虫に詳しい人とか元学校の先生とかいて、
そういう人たちが考えてくれだんだよ。
-地域に反響はありましたか?子供たちとか親とかから?
毎年、夏休みに併せて、集落内の小学生を呼んで親子自然観察会というのを
ここでやっている。トンボが増えてきたんで、子供も親も感心している。
そのときには、保全隊で水質検査キットを用意して、
子供たちに田んぼの用水路、排水路から水を取ってきてもらって、
水質検査を体験してもらっている。
水を垂らすと、汚れで試薬の色が変わるようにできている。
ここの用水路の水はさすがにきれいだよ。
-トンボを増やすために何か特別なことをやっているんですか?
いやーぁ、特別なことはなんも。
田の中やあぜにがあんまり草ボーボーにならないように
時々草刈りをするくらいだ。
それから、さっき話した物知りの人たちが、
冬も田んぼに水を入れないとヤゴが育たないというのでそれは守ってる。
その効果が出たのかどうか、シオカラトンボは、去年、グンと増えた。
100匹以上いたそうだ。数えるのが得意な人がいて。
今年はちょっと少なかったんだが、これからどんどん増えて行くと思っている。
ここの集落は集落排水(下水道)が整っていてほとんどの家が接続しているから、
田んぼに生活排水が入るという心配もなくてな。
あとは、棚田のすぐ下にモモの畑があるんだけれども、
そこから農薬が飛んできたら良くないべということで相談したら、
その人は畑の回りにグルッと網を張ってくれた。
田んぼの脇の沢にサワガニがいるのが分かって、子供たちは取りたがってしょうがない。
それに、ホタルも飛ぶようになったんだそうだ。私はまだ見てないけど。
-実際の管理はどんなことを
田んぼの持ち主に謝礼を払って、草刈りや水路の開け閉めを頼んでいるくらいだ。
-目指すところはどんなことですか?
まぁ、きれいな水を流して、農薬やら化学肥料やらを入れないようにして、
トンボが増えればいいなと、そういう感じだ。
千田さんと一緒に、だんぶり公園に行ってみました。
千田さんの画像登場。
シオカラトンボは今日も元気に飛び回っていました。
真夏の頃より、飛ぶスピードが落ちたような感じです。
他にも、オニヤンマ?と思われる大型のトンボやアキアカネなど、3、4種類飛んでいて、
それぞれ縄張りを主張しているのか、活発にアタックをかけて追い払おうとしていました
(例によって、このすばしこい虫らを写真に収める技術なし・・・済みません)。
サワガニは、この小さな流れのなかにいるのだそうです。
最初に見つけた人は偉い!
話の中に出てきた「ネットで囲ったモモ畑」のほうから公園を見ると、こんな感じです。
ネットのすぐ向こうがモモ畑、奥の林の間がとんぼ公園です。
棚田の横は20aばかりのソバ畑。今、花が真っ盛りでした。
ここから、国道282号線方面を見ると、なかなかのいい眺めです。
意外なほどの高度感です。
意外なほどの高度感です。
とにかくこの一帯、信じられないほどの静けさです。
しばし俗世を忘れるにはもってこいです。
だんぶり長者伝説はこちらをどうぞ→http://www.ink.or.jp/~kankou18/
(十和田八幡平観光物産協会のサイトです。ページが開いたら左側メニューの「鹿角の伝説(昔っこ)」に入ってください)
小豆沢集落の斜面にある小さな棚田を活用して、
トンボが飛び交う小さな自然公園を作っている方々がおられるのです。
あれから40日余りたって、鹿角はすっかり秋めいて来ました。
夏を謳歌していたトンボたちも朝夕の露に羽が濡れて、
日が射さないと飛び立てなくなったようです。
当日の公園はこんな感じでした。下から見たところです。
さて、この公園を運営している小豆沢地域資源保全隊の
「隊長さん」にお目にかかることができました。
隊長さんは千田俊夫さんとおっしゃいます。正式には会長さんですが。
このブログに登場することを快く了解してくださいました。
では、千田さんとのお話を紹介します。
-まず、きっかけは?いつ頃から?
平成19年から。
小豆沢環境保全隊というのを作って、集落の農地や環境を守る活動を始めた。
市内の他の集落も同じ事業に取り組み始めた年だ。
まず、うちの集落で何をしたらいいべ、と話し合ったら、
うちの集落は「だんぶり長者」の伝説の里だから、
やはりとんぼで何かしたほうがいぐねが?という声が出た。
そしたら、あそこの棚田で、シオカラトンボを少しばかり見ることがある、
という人がいて、場所が決まった。
-で、やる前はこの棚田はどんな状態だったんですか?
ズーッと転作だった。いわゆる「水張り水田」というやつで、
夏の間、田に水を張っておいて余り雑草が茂らないようにしておくやりかただ。
これも転作の1種なんだ。こういう棚田で転作してもよく育たないもんで。
そういうことで、長い間、水張り水田だった。
-トンボについて詳しい知識はあったんですか?
ウーン、それは、保全隊のなかに、虫に詳しい人とか元学校の先生とかいて、
そういう人たちが考えてくれだんだよ。
-地域に反響はありましたか?子供たちとか親とかから?
毎年、夏休みに併せて、集落内の小学生を呼んで親子自然観察会というのを
ここでやっている。トンボが増えてきたんで、子供も親も感心している。
そのときには、保全隊で水質検査キットを用意して、
子供たちに田んぼの用水路、排水路から水を取ってきてもらって、
水質検査を体験してもらっている。
水を垂らすと、汚れで試薬の色が変わるようにできている。
ここの用水路の水はさすがにきれいだよ。
-トンボを増やすために何か特別なことをやっているんですか?
いやーぁ、特別なことはなんも。
田の中やあぜにがあんまり草ボーボーにならないように
時々草刈りをするくらいだ。
それから、さっき話した物知りの人たちが、
冬も田んぼに水を入れないとヤゴが育たないというのでそれは守ってる。
その効果が出たのかどうか、シオカラトンボは、去年、グンと増えた。
100匹以上いたそうだ。数えるのが得意な人がいて。
今年はちょっと少なかったんだが、これからどんどん増えて行くと思っている。
ここの集落は集落排水(下水道)が整っていてほとんどの家が接続しているから、
田んぼに生活排水が入るという心配もなくてな。
あとは、棚田のすぐ下にモモの畑があるんだけれども、
そこから農薬が飛んできたら良くないべということで相談したら、
その人は畑の回りにグルッと網を張ってくれた。
田んぼの脇の沢にサワガニがいるのが分かって、子供たちは取りたがってしょうがない。
それに、ホタルも飛ぶようになったんだそうだ。私はまだ見てないけど。
-実際の管理はどんなことを
田んぼの持ち主に謝礼を払って、草刈りや水路の開け閉めを頼んでいるくらいだ。
-目指すところはどんなことですか?
まぁ、きれいな水を流して、農薬やら化学肥料やらを入れないようにして、
トンボが増えればいいなと、そういう感じだ。
千田さんと一緒に、だんぶり公園に行ってみました。
千田さんの画像登場。
シオカラトンボは今日も元気に飛び回っていました。
真夏の頃より、飛ぶスピードが落ちたような感じです。
他にも、オニヤンマ?と思われる大型のトンボやアキアカネなど、3、4種類飛んでいて、
それぞれ縄張りを主張しているのか、活発にアタックをかけて追い払おうとしていました
(例によって、このすばしこい虫らを写真に収める技術なし・・・済みません)。
サワガニは、この小さな流れのなかにいるのだそうです。
最初に見つけた人は偉い!
話の中に出てきた「ネットで囲ったモモ畑」のほうから公園を見ると、こんな感じです。
ネットのすぐ向こうがモモ畑、奥の林の間がとんぼ公園です。
棚田を上から見るとこうなっています。
この高さに、他に田や住宅があるので、
集落の“中”に棚田があります。これは相当珍しいんじゃないでしょうか?
この高さに、他に田や住宅があるので、
集落の“中”に棚田があります。これは相当珍しいんじゃないでしょうか?
棚田の横は20aばかりのソバ畑。今、花が真っ盛りでした。
この公園の八幡平駅側が、大日霊貴神社。
大日神社の裏手に、だんぶり長者伝説に出てくる吉祥姫が祀られているという「吉祥院」があります。
参道から見上げると、杜のなかに青い屋根が見えます。
大日神社の裏手に、だんぶり長者伝説に出てくる吉祥姫が祀られているという「吉祥院」があります。
参道から見上げると、杜のなかに青い屋根が見えます。
吉祥姫は「長者」夫婦の一人娘で、天皇のお后になったと伝えられている方です。
吉祥院はひっそりとしていますが、堂々としたお寺です。
吉祥院はひっそりとしていますが、堂々としたお寺です。
吉祥姫のお墓が本堂脇にあります。
意外なほどの高度感です。
意外なほどの高度感です。
とにかくこの一帯、信じられないほどの静けさです。
しばし俗世を忘れるにはもってこいです。
だんぶり長者伝説はこちらをどうぞ→http://www.ink.or.jp/~kankou18/
(十和田八幡平観光物産協会のサイトです。ページが開いたら左側メニューの「鹿角の伝説(昔っこ)」に入ってください)
Posted by のんびり探検隊 at 14:04│Comments(2)
│街の話題
この記事へのコメント
「故郷は遠くにありて思うもの…」私が5歳~18歳まで育った小豆沢の記事…一言一句までなめるように読ませていただきました。写真もなつかしく拝見しました。「吉祥院」は我が家の菩提寺です。また、先代の和尚さんは私の小学校時代の恩師です。今年こそ墓参りに帰郷したいと思っています。貴重な情報ありがとうございました。
Posted by 凧男 at 2009年09月20日 06:31
ご愛読、大変にありがとうございます。
小豆沢の自治会館から出発してだんぶり公園、吉祥院と巡りまして、この一帯の静かさに驚きました。国道からいくらも離れていないのに・・・。それに、もう少し山に入ると湯瀬渓谷ですし。恵まれている場所です。
それから、だんぶり公園の取り組みを聞いて、肩肘張らない自然体の取り組み、それでいてあくまでも前向きな姿勢・・・見習いたいものだと思いました。
1300年も前から大日神社をお守りしている人たちだからなのでしょうか?
今後ともこのブログの応援、よろしくお願いします。
小豆沢の自治会館から出発してだんぶり公園、吉祥院と巡りまして、この一帯の静かさに驚きました。国道からいくらも離れていないのに・・・。それに、もう少し山に入ると湯瀬渓谷ですし。恵まれている場所です。
それから、だんぶり公園の取り組みを聞いて、肩肘張らない自然体の取り組み、それでいてあくまでも前向きな姿勢・・・見習いたいものだと思いました。
1300年も前から大日神社をお守りしている人たちだからなのでしょうか?
今後ともこのブログの応援、よろしくお願いします。
Posted by のんびり探検隊 at 2009年09月24日 09:39
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